■アクションでは「大きく」見えるブルース・リー
ブルース・リーに関する雑学ですが、まずブルース・リーの身長はいかほどだったのでしょうか? 映画のパンフレットなどで発表されているのは「171cm」となっていましたが、最近ネットで検索したら真っ先に出てくるのが「172cm」。リンダ夫人の証言では、「170cm」とのこと。ただ、ブルース・リーと交流のあった日本人によると、「167cm。そんなに背は高くない」とのことです。また、『死亡遊戯』(1978)ロードショー公開時の新聞広告では「164cm」と出ていました。ブルース・リー映画を観ると、確かに背は高いほうではなく、むしろやや低めのような気がします。が、いざアクション演技が始まると、そんなことはどうでもよいほどブルース・リーの身のこなし、蹴りなどあらゆる華麗な技に圧倒され「大きく」見えます。
■同じ筋肉質でもボロ・ヤンとは大違い
ブルース・リーは全身が贅肉のないきれいに整った筋肉質ではありますが、どちらかというと細身(スーツ姿では一層際立ちます)で、『燃えよドラゴン』で怪力ボロ役を演じたボロ・ヤンのようなガッチリ型のムキムキマンではありません。実際の格闘で必要な筋肉を効果的にパワーの源として活用できるよう鍛え上げた結果、あのような見事な肉体になったのでしょう。ボロ・ヤンは、カンフーアクションを『燃えよドラゴン』以外のカンフー映画でも演じていましたが、大きく盛り上がった筋肉が逆に激しい動きの邪魔・負担になって、切れ味がまったく感じられません。ちなみに、カンフー映画ではないのですが、ムキムキ系の筋肉美を誇るアーノルド・シュワルツェネッガーの格闘アクションも、『コマンド―』(1985)を観る限りにおいては同様に切れ味のない動きに感じました。
■B型の特徴を持つブルース・リー
また、ブルース・リーの血液型は何型でしょうか? 映画のパンフレットでは「A型」と記されており、長い間A型だと思っていましたが、最近ネットで検索すると「О型」だったり「B型」だったりと出てきました。本当は何型だったのか混乱します。「B型」というのは、リンダ夫人の証言によるものだそうですが、仮にブルース・リーがB型だとすると、B型の特徴としての「多様性を受け入れる器を持っている」「自分が好きな分野などに対しては几帳面になる」等はブルース・リーの正確にあてはまっているような気がします。「多様性を受け入れる器を持っている」は、例えば、ブルース・リーがアメリカでの学生時代、ハリウッド時代に人種にかかわらず分け隔てなく武術を教えたこと、自身が生み出した格闘技のコンセプト・ジークンドーには世界中のあらゆる格闘技・スポーツの要素を取り入れていることに象徴されるでしょう。「自分が好きな分野などに対しては几帳面になる」ことは、『燃えよドラゴン』撮影時に細部まで提案し非常に神経質になり、映画の題名も「Blood and Steel」「Han’s Island」など2つ3つ候補が挙がっていたにもかかわらず「Enter the Dragon」にこだわり続けたことが象徴されます。結果的に「Enter the Dragon」で正解でした。■