■ブルース・リーの子役時代の作品は、20本以上
ブルース・リーの子役時代の作品(1940~1950年代)は、20本以上と数多くあり、すべての子役作品を観ることは、ネットが普及していない時代にはDVD等で販売されていなかったこともあり(ダイジェスト版で紹介しているものはありましたが)、極めて難しい状況でした。しかし最近では、ありがたいことにYouTubeなどネットの普及のおかげで、無料動画等で楽しめるようになってきています。子役時代の作品は、1年ほど前にネットで『雷雨』(1957)を観ることができました。これは、子役作品のなかで一番見たかった作品の1つです。10数年前、都内のブルース・リー専門店で『雷雨』のDVDを見つけましたが、ほかに多くのグッズをその店で買ってお金が足りなくなったため、買うのをあきらめました。それ以来、仕事等で忙しくバタバタしているうちに、いつの間にか買うタイミングを逸してしまいました。
ここ何年かはネットで「雷雨動画」と検索しましたが、なかなか見つけることができませんでした。「しまった。あのときブルース・リー専門店でDVDを買っておくべきだった」と後悔しましたが、この間ようやく検索がヒットし『雷雨』の無料動画を堪能できました。『雷雨』は、ブルース・リーが単身渡米する前に出演した『人海孤鴻』(1958)の前に出演した10代後半の作品です。『ブルース・リー死亡の塔』(1980)に『雷雨』でブルース・リーが出演したシーンが使用され、『Fist of Fear, Touch of Death』(1980、アメリカ映画)にも使われていたので、どんな内容なのかとても気になっていました。メロドラマらしく、アクションで暴れまわるのとは趣を異にするブルース・リーを観てみたっかったのです。
■香港初のカラー映画『人海孤鴻』、是非観たい
次に見たい作品は、『人海孤鴻』です。香港初のカラー作品で、ブルース・リー(当時17、18歳)のやんちゃで向こう見ずな若さ全開の姿を見ることができます。これは、現在ネットでフリー動画検索しているのですが、全ストーリーを観ることができる動画になかなかありつけません。やはり、ピンポイント、ダイジェストよりもストーリーの流れの中で観たいです(もっともセリフは広東語なので、画面で推測するしかないのですが)。
そして今日、メロドラマ『兒女債』(1955)をYouTubeで初めて観ました。冒頭と中盤のシーンでちょい役出演しており、ブルース・リーの作品全体での重要度は低いですが、「ブルース・リーが出演している」という意味では、観る価値のある作品でしょう。ちなみに『雷雨』と『人海孤鴻』は、『兒女債』に比べれば、はるかに出演時間は長いです。
香港凱旋後のヒット作品のみならず、ブルース・リーの子役作品も、当時の時代背景、社会の風潮なども垣間見え、十分楽しめると思います。セリフの言い回しも、同じ広東語でありながら、テンポよくまくしたてる形ではなく、『雷雨』や『兒女債』を観た限りでは、比較的スローテンポで美しい響きを感じました。1970~1980年代の一連の香港カンフー映画、香港の暗黒社会(黒社会)を派手なアクションでスリリングに描写した「香港ノワール」などとのギャップに驚くことでしょう。
■子役作品全部観たら、ブルース・リーの見方が変わるかも
ブルース・リーと言えば、香港凱旋後の一連のヒット作に注目しがちですが、子役で20本以上の作品に出演しただけに、そうした作品にもファンとしては目を向けたいものです。例えば、子役作品全部観たら、ブルース・リーの全体像が把握でき、見方がまた一段と変わるかもしれません。■